2024/2/20

人に聞けない、おしっこの悩み ~尿の仕組み~ │【一般泌尿器科】(越谷・春日部)

いわさ泌尿器科クリニック(越谷・春日部)です。

尿に関する症状や病気はさまざまありますが、
年齢や性別、生活習慣、抱えているご病気などにより、原因は分かれます。
なかでも尿に関するトラブルは、女性の膀胱炎や男性の前立腺疾患、中高年に多い排尿障害尿漏れなど、
原因疾患が数多く存在するため、その症状の原因が何なのかわからず、
お悩みを抱えているかたも多いかと思います。

症状から病気(原因疾患)を判断するには泌尿器科での検査が必要になりますが、
尿機能の仕組みを知ることで、その症状がどういったものなのか、どこからくるものなのか、理解がしやすくなります。

本日は、尿トラブルについて、尿の仕組みについて解説をしながら、ご説明させていただきます。

尿トラブルの冒頭画像

~尿を溜めて、出す機能を持つ「膀胱」~

膀胱は、尿を溜める「蓄尿(ちくにょう)機能」尿を出す「排出機能」の二つの機能を持っています。
尿は、腎臓で作られたのちに、尿管を介して膀胱に送られます。
膀胱は、伸縮性のある筋肉でできている袋状の臓器で、
尿が溜まるにつれて徐々に膨張し、尿の量が一定以上になると、脳へ排尿のサインを送り尿意を覚えます。
そして、意志的に排尿を行います。
この、膀胱での「蓄尿機能」と「排出機能」がうまく働かなくなると、さまざまな尿トラブルをきたします。

~尿に必要な二つの機能~

蓄尿機能と排尿機能

蓄尿(ちくにょう)機能:尿を溜めておくことが問題なくできて、尿は漏れたりしません。
また、尿がどの程度溜まっているかをある程度体感できて、排出のタイミングを調節します。

排尿機能:自分の意志で正常に尿を排出します。排出時には、全ての尿をスムーズに出し切ります。

尿機能の画像

これらの機能が障害されると、さまざまな尿トラブルを起こします。

~尿の機能が悪くなる二大障害~

蓄尿障害と排出障害

蓄尿障害:脳へ排尿のサインをうまく届けることができなくなり、頻尿を引き起こします。
また、尿がたまる途中で我慢ができなくなり、尿漏れ(尿失禁)を起こす場合があります。

排尿障害:尿を出すまでに時間がかかり、お腹などに力を入れないと尿が出せなくなります。
また、機能の障害が強くなると、尿を全て出し切ることができず、膀胱内に尿が残る場合や、尿を全く出せない状態(尿閉)になる場合があります。

尿機能トラブルの画像

~排尿症状(排尿困難症状)~

蓄尿機能もしくは排尿機能に障害をきたした場合の症状は、蓄尿症状、排尿症状、排尿後症状の三つに分類されます。

  • 蓄尿症状:尿を溜めることに問題がある症状
  • 排尿症状:尿を出すことに問題がある症状
  • 排尿後症状:排尿した後に起きる症状

【主な症状】

蓄尿症状:

  • 尿が近い(頻尿)
  • 夜中に2回以上トイレに起きる(夜間頻尿)
  • 尿が勝手に出てしまう(尿漏れ・尿失禁)

排尿症状:

  • 尿が出にくい(排尿遅延)
  • 尿の勢い弱い(尿勢低下)
  • 尿を出すためにお腹に力を入れる必要がある(腹圧排尿)
  • 尿が途中で何回か止まってしまう(尿線途絶)

排尿後症状:

  • トイレ後も尿が残っている感じがする(残尿感)
  • 排尿したのに、あとから尿がジワジワと漏れ出てくる(排尿後尿滴下)

通常は、上述の症状が複合して起こります。

~尿機能に障害が起きる原因~

・通過障害:尿が膀胱から尿道出口まで進む通り道で、通過が妨げられる場合。
子宮癌や大腸癌の手術後や、糖尿病などによる膀胱神経の圧迫(膀胱の働きが障害される状態)や、
膀胱脱や子宮脱による尿道圧迫、加齢による膀胱の筋力低下などが挙げられます。
また、男性では前立腺肥大症による尿道圧迫が最も多いと言われています。

・膀胱収縮障害:膀胱の機能が悪くなり、うまく収縮できない場合。
糖尿病による神経障害や、ヘルニアによる膀胱神経の圧迫、加齢による膀胱の老化現象などが挙げられます。

・前立腺肥大症:前立腺は、膀胱の出口付近で、尿道を取り囲むよう左右に存在します。
精液の一部を産生する役割を持ちます。
この前立腺が肥大することにより尿道が圧迫されて、尿の通過が妨げられて通過障害が起きます。
排尿症状に加えて蓄尿症状や排尿後症状も引き起こします。
前立腺肥大症は、加齢とともに発症率が増加し、
70歳代では10人に1人が前立腺肥大症と診断されています。
近年ではストレスや生活習慣病などにより、若い年齢においても発症率が増加しています。

このように、尿機能に障害が起きる原因は様々あり、
症状だけから障害(病気)を知ることは非常に難しいため、
自覚症状が現れたら早めに泌尿器科で診断を受けることをお勧めします。
また近年では、男性の前立腺がんの罹患率が急速に増えており、男性で排尿症状(排尿困難症状)が認められる場合は、
血液検査によるPSA測定でチェックを受けることをお勧めします。

気になる症状やお悩みをお持ちのかたは、お気軽にご相談ください。

いわさ泌尿器科クリニック には、越谷・春日部・さいたま市などから来院されます

※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。

膀胱炎
前立腺肥大
前立腺がん
頻尿
尿路結石
性感染症外来

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