2024/6/25
排尿時のしみる痛みについて│【一般泌尿器科】(越谷・春日部)
尿を出すときに痛みがある -いわさ泌尿器科クリニック-
尿を出すときにしみる痛みを感じたり、不快感を感じることを排尿時痛といいます。
排尿時痛は、多くの人が一度は経験したことのある身近な症状ですが、不快な痛みは日常生活に影響をおよぼします。
排尿時痛が起きる原因として最も多いのは尿路の細菌感染です。
他にも「尿路結石」や別の疾患が原因となっていることがあり、放置すると重症化する場合があります。
そのため、まずは原因を突き止めることと、早期の治療が大切になります。
排尿時痛について、ご説明させていただきます。
~排尿時痛はどんな痛み?~
排尿時痛は、その原因となる疾患が尿道や膀胱近辺に起こり、以下のようなさまざまな不快な症状を引き起こします。
- ツーンとした痛み
- しみる痛み
- チクチク痛む
- ズキっと刺すような痛みがある
- 焼けるような灼熱感を感じる痛みがある
- かゆみがある
- ムズムズする
- 不快感、違和感がある
これらの症状は、
尿の出始めに痛むのか、終わりに痛むのか、
または尿が出ている間ずっと痛むのかなど、
尿の出方によって疑われる疾患が絞られます。
そのため、「排尿時にどのように痛むか」を
受診時に具体的に伝えることが、
原因の特定を速やかに行うために大切になります。
~排尿時痛の原因~
排尿時痛でもっとも多い原因は細菌感染です。
私たちの身の回りには常に細菌(雑菌)が存在していて、
その細菌が腎臓、膀胱、尿道などの尿路に侵入し、
炎症を引き起こして排尿時痛が起こります。
他にも、大腸菌や性感染症の原因菌による場合があります。
尿路感染の原因菌の特定が重要であることがわかります。
排尿時痛を引き起こす、代表的な疾患を以下にあげます。
●細菌感染による排尿時痛の原因
・「膀胱炎」
膀胱内に細菌が侵入して炎症を起こしている状態です。
膀胱炎のなかでも最も多いのは「急性膀胱炎」で、女性に多くみられます。
【痛みの出方】
尿の出始めや、排尿が終わるころにジーンとした鈍痛や、ヒリヒリとした痛みを感じます。
膀胱炎が慢性化すると、尿が溜まるだけで痛みを感じる場合や、排尿の間ずっと痛みを感じる場合があります。
急性膀胱炎ではより痛みが強く生じ、排尿の始まりや終わりにツーンとした強い痛みを感じます。
・「尿道炎」
尿を排出する尿道に細菌が侵入して炎症が起こり、痛みや違和感が生じている状態です。
原因の代表的な細菌は、性感染症による淋菌性尿道炎やクラミジア性尿道炎によるものです。
【痛みの出方】
尿の出始めにヒリヒリと焼けつくような強い痛みがあります。
また、痛みと同時に黄色い膿のような分泌物が混ざり、尿がにごります。
女性で性感染症の可能性がある場合には、婦人科を受診して検査を受けることをお勧めします。
・「前立腺炎」
膀胱に隣接している前立腺が炎症を起こしている状態です。
主な原因は、尿道から侵入した大腸菌やブドウ球菌に前立腺が感染する状態があげられます。
【痛みの出方】
前立腺炎の初期では、尿の出始めに軽い痛みを感じます。
進行して炎症が強くなると排尿時の痛みが強くなり、前立腺肥大症に移行することがあります。
男性で気になる症状が出ている場合は、早めに泌尿器科を受診するようにしてください。
次に、細菌感染以外の疾患による排尿時痛の原因をあげます。
●細菌感染以外による排尿時痛の原因
・「尿路結石」
尿路結石は、腎臓にできた結石が尿管を通り、尿道・膀胱にとどまることにより、違和感・痛みが生じます。
腎臓にできるものは「腎結石」、
尿管にできるものは「尿管結石」、
膀胱にできるものは「膀胱結石」、
尿道にできるものは「尿道結石」と呼びます。
尿路結石は、細菌感染の次に多い排尿時痛の原因です。
尿路結石は通常、排尿時に違和感・痛みが生じますが、
なかでも特に尿管結石は痛みが強く、突然刺すような激しい痛みを伴います。
ただし、結石が尿の流れを妨げることがなければ、
痛みを伴わず経過し、無症状のまま検診で発見される場合もあります。
・「急性腎盂腎炎」「急性前立腺炎」
排尿時痛に伴い、頻尿や残尿感などの症状や発熱を伴う場合があります。
急性腎盂腎炎や急性前立腺炎である場合は、重傷化することがあるため早期の治療が重要です。
排尿時痛や排尿症状に加えて発熱を伴う場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。
・「前立腺がん」「膀胱がん」
前立腺がん:進行すると尿道を圧迫して排尿障害を引き起こし、排尿時痛や、頻尿や残尿感、尿漏れなどの症状が現れます。
膀胱がん:膀胱を刺激して、排尿時痛や、頻尿や残尿感など膀胱炎と似た症状が現れる場合があります。
膀胱炎のように抗生物質を服用しても治まらないのが特徴です。
前立腺がんや膀胱がんなどの悪性腫瘍が原因の場合も、早期発見と治療が重要になります。
定期的に検診を受け、症状がある場合は放置せずに早めに医療機関を受診するようにしてください。
~検査および診断~
主に、問診と尿検査を行い、原因となっている病気を診断します。
問診では、痛みが出始めた時期や排尿時痛に伴う症状、思い当たることなどを確認します。
尿検査では、尿を採取していただき、炎症や血尿の有無を調べます。
症状が強く出ている場合や、腎機能障害が疑われる場合は、採血やエコー検査、CT検査を行う場合もあります。
~排尿時痛の治療~
細菌感染が原因の場合は、主に抗生物質の内服などにより治療を行います。
尿路結石による排尿時痛がある場合は、薬剤で痛みを緩和させたのちに、水分をしっかりとるなどして自然に石が排出されるように促します。
重症化している場合や、入院や手術が必要な場合は、提携高次医療機関へのご紹介等の対応をしてまいります。
細菌感染が原因の排尿時痛である場合、なかには自然治癒する可能性がないわけではありませんが、放置すると重症化することもあるため、早期診断、早期治療開始が重要になります。
ドラッグストアなどで販売されている内服の市販薬は抗生物質が含まれておらず、治療が遅れてしまうことがあるため、症状が出ている場合は速やかに受診するようにしてください。
~おわりに~
細菌感染の予防やご自身の健康な身体を守るためにも、疲労を蓄積させないことが大切になります。
一日の睡眠と栄養をしっかりととることで免疫力を高め、心と身体のバランスの取れた生活を心がけることを推奨いたします。
いわさ泌尿器科クリニック には、越谷・春日部・さいたま市などから来院されます
※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。