2024/10/23

冷え性と泌尿器トラブルの関係│【一般泌尿器科】(越谷・春日部)

寒さを感じる季節になると、手足が冷たくなったり、寒気を感じる「冷え性」に悩む方は多いのではないでしょうか。冷え性は、ただ身体が冷えるだけではなく、泌尿器系にさまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。

特に、頻尿過活動膀胱尿路感染症は冷えが原因となる場合があります。

今回は、冷え性が泌尿器にどのような影響をおよぼすのか、そしてその対策についてご説明いたします。
これからの季節に向けて、冷え性対策や泌尿器の健康管理に役立てていただければと思います。

~冷え性による泌尿器の症状~

「冷え性」とは、血流の滞りによって起こる症状の一つで、検査や診断で特に異常が見つからなくても、身体が冷えている状態を指します。

身体が冷えると、泌尿器では以下のような症状が現れやすくなります。

  • トイレが近い(頻尿)
  • 尿漏れ(尿失禁)
  • 残尿感がある
  • 排尿時に痛みや不快感がある

これらの症状は、寒さや、身体の冷えによって血流が滞り、膀胱や尿道の機能が低下することが原因で引き起こされます。

では、身体が冷えることによって、泌尿器にはどのような影響が及ぶのか、具体的に解説していきます。

~身体の冷えが泌尿器におよぼす影響とその理由~

  • 頻尿になる理由
    • 血流の低下
    • 身体が冷えることによって血管が収縮し、骨盤や膀胱周辺の血流が低下します。血流が低下すると、膀胱が敏感になり、少量の尿でも強い尿意を感じるようになります。

    • 交感神経が優位になる
    • 寒さを感じると交感神経が優位になり、膀胱の収縮が頻繁に起こるため、尿意を感じやすくなります。

    • 汗をかきにくくなる
    • 冷えや寒さ以外にも、汗をかきにくくなることで、尿量が増えて頻尿になる場合があります。汗と尿は体内の水分量を調整する役割があり、汗をかく量が減ると尿量が増えます。そのため、汗をかかない状態が続くと、トイレに行く回数が多くなります。

  • 尿漏れ(尿失禁)が起こりやすくなる理由
  • 身体が冷えると全身の筋肉が緊張しやすくなります。特に、骨盤底筋が緊張すると膀胱や尿道周辺の筋肉の機能が弱くなり、尿をコントロールする機能が低下します。そのため、くしゃみや咳など、ちょっとした圧力がかかるだけでも尿漏れが生じてしまう場合があります。

  • 残尿感の原因
  • 身体が冷えることによって全身の血流が悪くなると、膀胱の機能が低下しやすくなります。膀胱は、筋肉で覆われた袋状の臓器です。そのため、膀胱機能の低下によって膀胱の収縮力が弱くなると、尿を完全に排出できなくなります。その結果、排尿後も膀胱内に尿が残っている違和感が生じ、残尿感が続く場合があります。

  • 排尿時の痛みや不快感が増す理由
  • 身体が冷えることによって血管が収縮し、膀胱や尿道周辺の血流が低下します。血流が悪くなると、膀胱や尿道の粘膜が十分な栄養や酸素を受け取れなくなり、粘膜が弱くなります。粘膜が弱くなると炎症が起きやすくなり、排尿時に痛みや不快感を生じる場合があります。また、体温が低下すると免疫機能が低下し、細菌感染に対する抵抗力が弱くなるため、尿路感染症膀胱炎や尿道炎)を発症しやすくなります。

このように、身体が冷えることによって膀胱機能が低下しやすくなるため、頻尿尿漏れ、残尿感、膀胱炎など、さまざまな症状を引き起こしやすくなります。

不快な症状は日常生活に影響をきたすため、早めの対策や予防が大切になります。

~冷え性対策と泌尿器トラブルの予防法~

寒い季節に備えて、身体の冷えによる泌尿器トラブルを防ぐために有効な対策を以下にご紹介します。

  • 身体を温める
    • 防寒対策をしっかりと行う
    • 特に、泌尿器では腰回りや下半身を冷やさないことが大切になります。お腹周りや足元を冷やさないために、厚手の靴下や腹巻を使用することをお勧めいたします。

    • 温かい飲み物の摂取
    • 冷たい飲み物は身体を冷やしてしまうため、寒さを感じる季節では温かい飲み物を積極的に取り入れることを推奨いたします。生姜湯やハーブティーなど、体を温める効果のある飲み物も効果的です。

  • 軽い運動で血行を促進する
    • ウォーキングやストレッチ
    • 軽い運動は血流を促進し、冷えを和らげる効果があります。また、ストレッチを行うと筋肉の緊張が緩和されてリラックス効果が高まります。寒い日には、室内でのストレッチを取り入れるなどして工夫することを推奨いたします。

    • 入浴をする
    • ぬるま湯にゆっくり浸かることで、全身の血行が促進され、冷え性の改善に効果があるといわれています。

  • 食事を工夫する
  • ショウガ、ネギ、シナモンなどには血行促進作用があり、体を温める効果があります。これらの食材を積極的に取り入れて、体の内側からも温めるとより効果的です。

~おわりに~

寒い季節になると、身体の冷えが原因で、泌尿器にさまざまなトラブルが起こりやすくなります。ですが、早めの対策を行うことでトラブルを予防し、泌尿器を健康な状態に保つことができます。
これからの季節も快適に過ごせるよう、防寒対策やバランスの良い食事、適度な運動を積極的に取り入れて、寒さに負けない体作りを心がけることをお勧めします。

万が一、症状が続く場合や、気になる症状が出ている場合はクリニックまでお越しください。

いわさ泌尿器科クリニック には、越谷・春日部・さいたま市などから来院されます

※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。

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