2025/1/14
寒い季節に増える夜間頻尿の原因と対策│一般泌尿器科(越谷・春日部)
冬になると、夜間に何度もトイレに起きてしまう「夜間頻尿」に悩む方が増えます。
この症状は睡眠の質を低下させ、日中の活動にも影響を及ぼすため、適切な対策が大切になります。
本記事では、夜間頻尿の基礎知識から、冬に夜間頻尿が増える原因と対策について解説していきます。
夜間頻尿とは
夜間頻尿とは、夜中に1回以上、排尿のために起きる症状を指します。
この症状は加齢とともに増加し、40歳以上の男女の約4,500万人が悩んでいるといわれています。
特に冬は、寒さや生活習慣の変化が影響し、夜間頻尿の頻度が高まる傾向があります。
夜間頻尿の原因
まず、夜間頻尿の原因は大きく3つに分けられます。
1)多尿
夜間頻尿では、夜間の尿量が1日の総尿量の1/3以上になる「多尿」が生じます。
これには、水分の摂り過ぎが一因とされています。また、糖尿病や高血圧、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群などの内科的な病気が背景にある場合もあります。
2)膀胱容量の減少
膀胱内に尿を貯める機能が減少し、膀胱が過敏になることで夜間の排尿回数が増えることがあります。この原因として、前立腺肥大症や過活動膀胱などがあげられます。
2)睡眠障害
睡眠障害では、眠りが浅くなるため、頻繁に目が覚める状態になります。その際に尿意を感じ、トイレに行くことが夜間頻尿につながることがあります。
次に、寒い時期に夜間頻尿が増える原因を以下にあげます。
寒い季節に夜間頻尿が増える原因
- 寒さによる自律神経の影響
寒さで交感神経が優位になり、全身の筋肉が緊張します。その結果、膀胱の筋肉も収縮し、尿意を感じやすくなります。
- 水分代謝の変化
汗と尿は、体内の水分量を調整する役割があり、汗をたくさんかくと尿の量が減り、汗をかかないと尿の量が増えます。
冬は汗をかく量が少なくなるため、体内に余分な水分がたまりやすく、尿として排出されやすくなります。 - カフェインの摂取
寒い季節には温かい飲み物を摂る機会が増えますが、コーヒーやお茶に含まれるカフェインは利尿作用が強いため、夜間頻尿を助長することがあります。
このように、夜間頻尿の原因はさまざまであり、冬の寒さによって症状が悪化することもあります。原因に応じて治療法が異なるため、まずは夜間頻尿の原因を正確に特定することが大切です。
以下の症状がある場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
泌尿器科を受診すべきタイミング
- 排尿時に痛みや違和感がある
- 血尿が見られる
- 日中も頻尿が続く
- 夜間頻尿が睡眠や生活に深刻な影響を与えている
夜間頻尿は、泌尿器系疾患や他の健康問題が原因の場合もあるため、早めに専門医の診察を受けることを推奨いたします。
最後に、夜間頻尿を改善するための対策を以下にあげます。
夜間頻尿の対策
- 体を温める
就寝前に湯たんぽや電気毛布を活用し、体を冷やさないようにする
足元の冷えを防ぐために、暖かい靴下を履くことも効果的です。 - 一日の水分摂取バランスを見直す
水分補給は日中にバランスよく行い、夜に取りすぎないよう注意する
就寝の2時間前以降は水分を控えるよう心がける - カフェインやアルコールを控える
カフェイン入りの飲み物やアルコールは控えめにし、代わりにハーブティーやカフェインレスのお茶を選ぶようにする
- 体を冷やさない生活習慣
入浴はシャワーだけで済まさず、湯船に浸かって体を芯から温める
外出時には手袋やマフラー、厚手の靴下を身に着け、冷気から体を守る - 生活リズムを整える
睡眠時間を十分に確保し、ストレスを軽減することで夜間頻尿の改善につながります。
おわりに
冬の寒さで増加しやすい夜間頻尿は、生活習慣の見直しや体を温める工夫で改善が期待できます。まずは簡単にできる対策を試し、症状が重い場合には医療機関を受診してください。適切な対策をとることで、睡眠の質を向上させ、快適な冬を過ごしましょう。