2025/4/14

尿の色でわかる「病気のサイン」│一般泌尿器科(越谷・春日部)

普段、ご自身の尿の色を意識して確認することはありますでしょうか?
尿の色には、体調の異変や病気のサインが表れることがあります。
尿検査ほど精密ではないものの、尿の色を観察するだけで、体の不調に気づけることもあります。

しかし、排尿後はすぐに流してしまったり、男性用の小便器では尿が溜まらないため、尿の色を見る機会が少ないという方は多いかもしれません。

泌尿器科の診察時でも、尿の色やにおいに変化があったかをお尋ねすることがありますが、「よく覚えていない」という方は少なくありません。
実は、そうしたちょっとした変化の情報が、病気の早期発見や原因の特定に役立つことがあります。

本記事では、尿の色によってどんな体のサインが隠れているかについて、ご説明させていただきます。

正常な尿の色とは?

正常な尿の色は、うすい黄色です。尿が黄色いのは、「ウロビリン」という黄色の色素が含まれているためです。体の中では、古くなった赤血球が毎日少しずつ壊されていきます。
その中に含まれる「ヘモグロビン」という血の赤い色の素が分解されて、この過程でいくつかの物質が生まれます。そのひとつが黄色のウロビリンです。このウロビリンが尿に混ざることで、尿は黄色くなります。

ウロリビン(尿の黄色味)の濃さは、体内の水分量によって変わります。
水分が十分にとれていれば尿は薄い黄色になり、逆に水分が不足していると尿が濃くなり、黄色味が強くなります。つまり、尿の色から体の水分状態を知ることができるのです。

脱水以外にも、尿の色はさまざまな要因で変化します。
色の違いによって考えられる体のサインについて、詳しく説明していきます。

~無色透明~

◯ … 生理的な現象✖ … 病的な現象

◯ 一時的な大量の水分摂取によるもの

✖ 糖尿病、尿崩症など

尿が極端にうすい、または無色透明な場合、水分を一度にたくさん飲んだ後であれば心配は要りません。しかし、常に尿が透明で量が多いような状態が続く場合は注意が必要になります。
これは、体が水分を適切に調整できていない可能性を示しており、糖尿病や尿崩症などの病気が隠れていることもあります。気になる場合は、尿検査を受けることをおすすめします。

~オレンジ色・茶色(褐色)〜

◯ ビタミン剤や栄養ドリンクの影響

✖ 脱水症状、肝炎、腎炎

たとえばオロナミンCやアリナミンなどのビタミンが含まれる栄養ドリンクやサプリメントを飲むと、尿が濃い黄色やオレンジ色に変化することがあります。
これは、リボフラビン(ビタミンB2)の色素によって変化しているもので、心配は要りません。
しかし、ビタミン剤やサプリメントを飲んでいないにも関わらず、オレンジ色または茶色がかった尿が出る場合は、肝臓や腎臓の異常が関係している場合があります。いつもと違う色の尿が続くようであれば、早めに医療機関を受診してください。

~やや白く濁っている(白濁色)~

尿中に白血球や細菌、たんぱく質、膿(うみ)などが混ざることで、尿が白く濁る場合があります。
特に、膀胱炎や腎盂腎炎などの感染症が起こると、体が細菌と戦うために「白血球」を尿路に集めることによって尿が白濁することがあります。
女性では、膣からの分泌物(おりもの)が混じって一時的に濁ることもありますが、排尿時の痛み違和感残尿感頻尿などの症状がある場合は、早めに泌尿器科を受診することをおすすめします。
膀胱炎は、放置してしまうと重篤化して腎盂腎炎を引き起こす場合があるため、注意が必要になります。

※血尿に関してはこちらをご覧ください。

おわりに

尿は、体の健康状態を映し出す大切なバロメーターです。
実際に、尿の色の変化から重大な病気が見つかる場合もあります。尿の色の変化には必ず何かしらの原因があり、その原因を知ることが、病気の早期発見や適切な治療へとつながります。

日々の健康チェックの一環として、ぜひ排尿後に尿の色を確認する習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。
気になる症状や排尿に関するお悩みがある場合は、お気軽にクリニックまでご相談ください。

※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。

膀胱炎
前立腺肥大
前立腺がん
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いわさ泌尿器科クリニック(さいたま・越谷・春日部)
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