2024/12/17
尿検査でわかること│一般泌尿器科(越谷・春日部)
尿検査は、尿中の成分を調べることで、身体の健康状態や病気の兆候を知ることができる検査です。痛みなどを伴わずに簡単にできる検査です。「血尿」(尿潜血)、「膿尿」、「尿蛋白」、「尿糖」など、病気により尿の状態が変わり、色々なことがわかります。
泌尿器科では、尿路感染症や尿路結石、尿路上皮がんの診断に欠かせない検査になっています。また、腎臓内科においても腎炎や慢性腎臓病(CKD)の診断に毎回行われる基本的な検査です。
尿検査はどんなときに行うのか
身体に何らかの異常が起こると、正常では尿に含まれない成分が混じることがあります。尿検査は、尿を採取して詳しく調べることで、このような異常がないかを確認するために行われます。泌尿器科では、診察前に尿を採取していただきます。
尿検査を行う目的
- 泌尿器系の異常(腎臓、膀胱、尿管、尿道)の確認
- 糖尿病の兆候の確認
- 感染症(尿路感染症など)の確認
- 肝臓や代謝異常の確認
尿検査の種類
尿検査ではいくつかの検査方法がありますが、泌尿器科クリニックでの検査には以下の2つの方法が主に使用されています。それぞれの検査で得られる情報は異なり、疾患の診断や治療方針の決定に役立ちます。
- 尿試験紙法:尿に蛋白や糖がおりていないか、潜血反応がないかなどを試験紙で調べる
- 尿沈渣:尿を遠心分離器にかけて沈殿した成分を顕微鏡で調べる
各検査について詳しく説明していきます。
1. 尿試験紙法
尿試験紙法は、尿に含まれる蛋白、糖、血液などを試験紙で調べる簡易検査です。
尿試験紙法は、試験紙の色の変化によって異常の有無を判定します。例えば、尿潜血がある場合、試験紙の色が変化し、「-」から「3+」までの範囲で結果が示されます。この検査は簡便で迅速な結果が得られるため、健康診断や人間ドックに広く用いられています。
ただし、尿試験紙法は簡易検査であるため、完全に正確ではありません。たとえば、実際には血尿がない場合でも、誤差により「尿潜血陽性」と判定されることがあります。そのため、尿試験紙法で異常が認められた場合には、後述の尿沈渣や尿生化学検査を行って確認することが必要です。
2. 尿沈渣
尿沈渣検査では、尿を遠心分離器にかけて沈殿した成分を顕微鏡で調べることで、尿中に含まれる赤血球、白血球、細菌を直接確認します。
尿試験紙法では不明確だった「血尿」や「膿尿」の有無を確実に判断できるため、泌尿器科の診察では欠かせない検査です。また、赤血球や白血球の数を測定し、異常の程度も評価します。
尿沈渣検査は、尿路感染症や膀胱がん、腎盂腎炎など、泌尿器科で多くみられる疾患の診断に役立ちます。特に、膀胱炎や尿道炎のような膿尿が特徴的な疾患では重要な検査です。
尿検査でわかる泌尿器の疾患
尿検査は、疾患のスクリーニングから詳細な診断まで、幅広く活用される検査です。特に泌尿器科や腎臓内科では、診察のたびに尿検査を行うことが一般的です。
泌尿器科では、主に以下の疾患に対応するために尿検査を実施します。
検査前の注意点
尿検査では、正確な結果を得るために以下の点に注意してください。
- 検査前に多量の水分を摂取しない
- 検査前にビタミン剤や栄養ドリンク、カロリーのある飲料は控える
- 月経中の場合は検査のタイミングを相談
~おわりに~
尿検査の結果は病気の早期発見や予防につながります。また、腎臓病や糖尿病などの全身的な疾患の管理にも役立ちます。自覚症状がなくても、定期的な尿検査で身体の健康をチェックすることが推奨されます。
尿検査は負担の少ない手軽な検査ですが、検査を通じて得られる身体の情報は多岐にわたります。気になる症状がある場合や、健康維持においても、定期的に検診や泌尿器科での尿検査を受けることをお勧めします。