2024/7/23

尿路結石の痛みはどんなもの?│【一般泌尿器科】(越谷・春日部)

【結石】痛みが出た時にするべきこと -いわさ泌尿器科クリニック-

「尿路結石の痛みはどれくらいなのだろう?」と心配になったことはありますでしょうか?

尿路結石は、泌尿器科外来でみられる疾患のなかでも頻度の高い疾患のひとつで、
食生活の欧米化や人口の高齢化、気候変動にともない、年間罹患率は年々上昇を続けています。

尿路結石は、結石ができる場所によって痛みの出方や程度は異なりますが、
激痛といわれることが多く、不安になるかたも多いと思います。

本日は、尿路結石の痛みと、痛みの発作が起きたときにするべきことについて、解説させていただきます。

~はじめに~

尿路結石とは、尿が作られる腎臓から尿道までの尿路に結石が生じる疾患です。
結石は、尿に含まれるカルシウムやシュウ酸、リン酸、尿酸などの成分が、
多すぎる状態(過飽和状態)になって、結晶化することで形成されます。

尿路結石は、結石ができる場所によって病名が異なり、
腎臓にできるのを腎結石
尿管にできるものを尿管結石
膀胱にできるものを膀胱結石
尿道にできるものを尿道結石と呼びます。

このうち、上部にあたる腎結石と尿管結石は上部尿路結石
下部にあたる膀胱結石と尿道結石は下部尿路結石に分類されますが、
上部尿路結石が95%以上とほとんどを占めます。

発症には、食生活や生活習慣、尿の流れを悪くする病気や尿路感染、年齢や遺伝など、さまざまな要因が関わっていると考えられています。(※詳しくはこちらをご覧ください。)

~尿路結石の痛みは、どの辺りがどれくらい痛い?~

■上部尿路結石

【腎結石】
腎臓内の腎盂(じんう)に結石が生じ、少しずつ大きくなったものを腎結石といいます。
腎盂は、腎臓と尿管の接続部分で、腎臓で作られた尿が、最初に集まる部位にあたります。
ここにある状態の結石は、尿の流れを妨げることがあまりないため、痛みを伴わず経過することが少なくありません。
痛みを伴う場合も、強い痛みとなることはほとんどなく、腰部の鈍痛程度であることが多いといわれています。
また、無自覚のまま検診で発見されることもあり、「尿路結石のなかでも痛みを感じにくい」とされています。

【尿管結石】
腎臓内の結石が尿管へ移動したものを尿管結石といいます。
細い尿管に挟まった結石が、尿の流れをせき止めて腎臓を圧迫し、尿が逆流を繰り返します。このときに結石が尿管に擦れるため、激しい痛みを生じます。
痛みは、結石がある側のわき腹から下腹部にかけて刺すような激しい痛みが起こります。
また、流れずに溜まっていく尿が腎臓を圧迫するため、圧力が上昇した腎臓が膨張し、背中や腰にも激痛を伴う場合があります。
通常、痛みは突然現れて、身体を動かしても、じっとしていても改善しない場合が多いです。痛みが激しすぎて吐き気や冷や汗を伴う場合や、救急車を呼ぶ方も少なくありません。
この痛みは2~3時間程度続き、12時間程度でおさまることが多いと言われています。
尿管結石は、尿路結石のなかでも最も激しい痛みを伴い、その痛みの強度から「最も耐え難い痛みの一つ」として知られています。

■下部尿路結石

【膀胱結石】
腎臓の結石が膀胱まで降りてきた、あるいは膀胱内で結石が形成されたものを、膀胱結石といいます。
膀胱結石になると、激しい痛みはなくなりますが、膀胱を刺激する症状が現れます。
尿をするときに痛みが生じ、頻尿や残尿感などの症状が現れる場合があります。

【尿道結石】
膀胱から移動した結石が、尿道の途中で詰まる状態を尿道結石といいます。
痛みは、排尿時に結石が尿道を刺激するため、尿を出すときに痛みが起こります。
痛みの程度はやや強く、瞬間的な痛みといわれています。
なお、結石は、よほど大きい結石でなければ、尿道の途中で詰まることはなく、排尿の際に、尿とともに通過して体外へ排出されます。
しかし、途中で詰まってしまう場合は、尿が出なくなってしまうこともあるため、早めの治療が必要になります。

尿路結石は、結石が尿路の上皮と接触することで、尿路が傷ついて出血し、血尿が起きる場合があります。
排尿時に血尿を確認した場合や、検診などで血尿を指摘された場合は、速やかに泌尿器科を受診してください。

~突然激しい痛みにおそわれたら~

尿管結石である場合、痛みの発作は何の前触れもなく起こります。
突然激しい痛みに襲われたときはどうすればよいのでしょうか。

【速やかに医療機関の受診を】

これまでのご説明のとおり、尿管結石である場合は、突如激しい痛みにおそわれます。
自分の力だけでは受診が難しい場合は、タクシーを利用するなどして、速やかに医療機関を受診するようにしてください。激しい痛みで、吐き気や冷や汗を伴うことがあるため、場合によっては救急車を呼ぶかたもいます。
また特に、熱が38度などある場合は、結石性腎盂腎炎といい、細菌感染を起こしている可能性があります。この場合は緊急で受診が必要となるため、注意が必要になります。

病院では、まずは座薬や点滴などで痛みを抑え、結石ができた場所や、結石の大きさなどを調べたのちに、必要な治療の診断を行い、結石を除去する治療を行います。
早期診断と治療開始のためにも、結石の発作が起きた場合や、気になる症状が出ている場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

【クリニックを受診するまでにできること】

  • 姿勢を楽にする:側腹部の痛みは、痛みのある方を下にして寝ることで、尿管の圧力が減少し、痛みが和らぐ場合があります。腰に痛みがある場合は、うつ伏せに寝ることで軽減される場合があります。
  • 水分摂取に注意する:患部(腎盂や尿管)が水分により膨張して、痛みがひどくなる場合があります。痛みが強い時に水分を取り過ぎないよう、注意する必要があります。
  • 患部を温める:もし動けるようであれば、温かいタオルなどで患部を温めることで、痛みが和らぐ場合があります。

~おわりに~

結石は、細微なものであれば無症状のうちに排出されます。
また、結石が腎臓内(腎盂内)に留まっている状態でも、通常は、大きくなるのに数年かかり、この時点では何の症状もありません。
無症状のまま、尿とともに排出されれば問題ありませんが、猛暑による脱水症状や、高血圧や高脂質などによって、尿が濃くなる(濃縮される)状態は、尿路結石の発生を促してしまいます。
尿が濃いと結石ができやすいので、こまめに水分をとって尿の排出を促し、尿が濃い状態である時間を減らすことが推奨されます。
栄養バランスのとれた食事と、規則的な生活、適度な運動も、結石の予防に繋がります。
ご自身の大切な身体を守るためにも、是非心がけていただければと思います。

いわさ泌尿器科クリニック には、越谷・春日部・さいたま市などから来院されます

※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。

膀胱炎
前立腺肥大
前立腺がん
頻尿
尿路結石
性感染症外来

いわさ泌尿器科クリニック(さいたま・越谷・春日部)
泌尿器科の検査・治療に関してはこちらをご覧ください