2024/9/17

秋に気を付けたい泌尿器の病気│【一般泌尿器科】(越谷・春日部)

~寒暖差がおよぼす泌尿器の症状~

いわさ泌尿器科クリニックです。

日中は暑さを感じるものの、夜は涼しさを感じる日が増えてまいりました。
一日の気温の変化が大きいこの時期は、体調に影響が出やすくなります。

泌尿器科では、涼しくなるにつれて「尿が近い」などの症状を訴える患者様が多くなり、
その他にも、尿路感染症や前立腺のトラブルなど、この時期特有の病気や症状があります。

本日は、夏から秋にかけて多く見られる泌尿器の病気や症状と、その対策について、ご説明させていただきます。

~秋に多くみられる泌尿器科の病気~ 原因と対策

■前立腺肥大症の悪化

前立腺肥大症が特定の季節に悪化するという明確な証拠はないものの、寒暖差の影響により悪化する場合があります。以下に要因をあげます

  • 寒さによる尿路への影響

    涼しい季節になると、体が冷えることで膀胱の過敏性が増し、頻尿や尿意切迫感が強くなる場合があります。
    気温が下がると尿路の筋肉が収縮しやすくなり、排尿が困難になることがあるため、前立腺肥大症の症状が悪化する場合があります。

  • 水分摂取の減少

    これからの時期は汗をかきにくくなり、水分を摂取する量が減る場合があります。水分摂取量が減ると尿が濃縮されて、膀胱や尿道に負担をかける場合があり、前立腺肥大症の症状が悪化しやすくなります。

【対策】

  • 体を冷やさない

    前述のとおり、寒さによる身体の冷えは、膀胱や尿道、前立腺周辺の筋肉を緊張させ、排尿困難や頻尿といった、前立腺肥大症の症状を引き起こす場合があります。 そのため、腰回りや足元を冷やさないよう、下半身を温かくすることや、温かい飲み物などで身体を温めることで、症状の悪化を防ぐことが推奨されます。

  • 適切な水分補給

    水分の不足による尿の濃縮を避けるために、 こまめに水を飲むことを心がけ、また、カフェインやアルコールは膀胱や前立腺に刺激を与え、 排尿に関連する症状を悪化させる場合があるため、これらを含まない飲料を選ぶなどの工夫が大切になります。

  • 適切な排尿習慣をつける

    前立腺肥大症の症状が悪化すると、尿が出にくくなる場合や、頻尿になる場合がありますが、 悪化を防ぐためにも、排尿の習慣をつけることが大切になります。具体的な対策を以下にあげます。

    • 尿意を我慢しないで、早めにトイレに行くよう心掛ける。
    • 寝る前に水分を控え、夜間頻尿を減らす。
    • 一度に多量の水分を摂るのではなく、少量ずつこまめに摂る。

■過活動膀胱

過活動膀胱は、涼しくなったり、寒さを感じる季節に症状が悪化しやすい傾向があります。
秋にさしかかるこの季節は、気温が下がり始める時期で、気温低下が過活動膀胱の発症や悪化に関与している場合があります。具体的な要因を以下にあげます。

  • 寒冷刺激による膀胱の過敏性

    寒さが膀胱を刺激し、膀胱の筋肉が収縮しやすくなるため、尿意を強く感じたり、頻繁にトイレに行きたくなる場合があります。 秋に気温が下がることで、こうした症状が目立つ場合があります。

  • 水分摂取の変化

    秋になると気温が低くなり、汗をかく量が減少するため、水分摂取量が少なくなる場合があります。 水分が不足すると尿が濃縮され、膀胱の刺激が増し、過活動膀胱の症状が現れやすくなる場合があります。

  • 季節の変わり目による体調変化

    季節の変わり目には、自律神経のバランスが崩れやすく、それによって膀胱のコントロールが悪くなる場合があります。 特に、秋は朝晩の寒暖差が大きくなり、自律神経が影響を受けやすくなるため、過活動膀胱の症状が現れやすくなることが考えられます。

【対策】

  • 体を冷やさない

    寒さが膀胱の過敏性を引き起こし、頻尿や急な尿意を感じやすくなるため、下半身を冷やさないよう心がけることや、 暖かい飲み物を摂取して体全体の血行を促進し、内臓を温めることが大切になります。
    また、適度な運動を取り入れ、血行を良くすることで膀胱の健康を保つことも重要です。

  • 適切な水分摂取

    秋は気温が下がることで水分摂取量が減少しがちですが、十分な水分を摂らないと尿が濃縮され、膀胱への刺激が強まります。 水分をこまめに摂取し、膀胱内での尿の濃縮を防ぐことが重要になります。
    また、カフェインやアルコールを含む飲み物は膀胱を刺激するため、気になる症状が出ている場合は、 それらを控えめにして、水やノンカフェインのお茶などを選ぶなどの工夫も大切になります。

  • ストレス管理

    過活動膀胱は精神的なストレスとも関連が深いことが知られています。 季節の変わり目に自律神経が乱れやすくなるため、ストレス管理が重要となります。
    そのため、リラクゼーションや深呼吸などを取り入れて、精神的なストレスを軽減することや、 十分な睡眠と規則正しい生活リズムを心掛け、自律神経のバランスを整えることが推奨されます。

  • 適度な運動

    運動によって血行が促進され、膀胱への刺激が軽減される効果が期待できます。 また、ウォーキングなどの軽い運動は、膀胱周りの筋肉を鍛えて、尿意のコントロールを向上させます。 秋は涼しく運動しやすい季節ですので、適度な運動を取り入れるよう心掛けることが推奨されます。

■尿路感染症(膀胱炎や腎盂腎炎)

膀胱炎は夏にも秋にも起こりやすい病気ですが、原因が異なります。 夏場は、汗で体内の水分が奪われることが原因となりますが、秋になると、寒暖差や乾燥など、不安定な気候により、 免疫力が低下してしまうことによって起こりやくなります。
特に女性は、尿道が短いため膀胱内に細菌が入りやすく、膀胱炎を発症しやすい傾向があります。
また、膀胱炎が悪化することや放置することは、腎盂腎炎につながる場合があり、この場合は早急に治療が必要になるため、注意が必要になります。

【対策】

  • 適切な水分摂取

    暑さが和らいで、汗をかく量が減ると、水分を摂取する意識が低くなりがちですが、 こまめに水分を摂取して排尿をうながし、尿の循環をよくすることが重要となります。

  • 体を冷やさない

    寒くなると血流が悪くなり、免疫力が低下して膀胱炎にかかりやすくなります。 特に下半身の冷えは、膀胱や尿道の血流を阻害し、感染を引き起こしやすくなるため、 足元を冷やさない工夫や、温かい飲み物を摂取して、内臓や身体全体を温めることが大切になります。

  • トイレを我慢しない

    尿を長時間我慢すると、膀胱内で細菌が増殖しやすくなります。 秋は涼しくなり、トイレを我慢することが増える場合がありますが、こまめに水分を摂取して排尿を行うことが大切になります。

  • 適度な運動

    秋は外気が涼しくなり、運動するには適した季節です。軽い運動を継続することで、血行を促進し、免疫力を高めることができます。 運動不足は血行不良を引き起こし、膀胱炎のリスクを高める可能性があるため、ウォーキングなどの適度な運動が推奨されます。

~おわりに~

秋に起こりやすい3つの疾患を挙げましたが、予防や対策には共通点が多いことがわかります。
特に、病気予防の基本として、バランスの取れた食事で免疫力を維持することがとても大切になります。
秋に旬を迎える野菜や魚などの食材は、免疫力を高める栄養素が豊富に含まれているため、 是非それらを積極的に取り入れながら、健康を維持していただければと思います。

気になる症状やお困りのことがございましたら、クリニックまでお越しください。

いわさ泌尿器科クリニック には、越谷・春日部・さいたま市などから来院されます

※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。

膀胱炎
前立腺肥大
前立腺がん
頻尿
尿路結石
性感染症外来

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