2024/4/9
繰り返す膀胱炎 ~原因と対策~|【女性泌尿器科】(越谷・春日部)
つらい膀胱炎 -いわさ泌尿器科クリニック-
膀胱炎は身近な病気で、一度は経験したことのあるかたも多いかと思います。
男性よりも尿道が短い女性は、膀胱炎の発症率が圧倒的に高く、
年に何度も再発を繰り返すことは珍しくありません。
膀胱炎は一般的な病気ですが、発症したときの痛みや不快感、
再発によるストレスは、日常生活の妨げとなり、心と身体に影響を及ぼします。
では、膀胱炎を繰り返さないためには、発症を抑えるためには、どのようにしたら良いのでしょうか?
膀胱炎を発症しやすい人の特徴や対策、リスク性について、ご説明させていただきます。
~膀胱炎について~
外部(尿道口)から細菌が侵入し、尿道をつたって
膀胱内に入り込んだ細菌が繁殖して炎症を起こす状態を膀胱炎といいます。
原因の多くは細菌感染で、主に大腸菌によるものです。
私たちの身のまわりには、常に雑菌(細菌)が存在し、
皮膚や衣類などにも付着しています。
そういった細菌が尿道口から入り込みますが、
通常は、排尿の時に侵入しようとする細菌を尿とともに洗い流してしまいます。
また、尿道および膀胱の粘膜には免疫細胞が含まれていて、
侵入する細菌を識別して攻撃し、排除します。
しかし、ストレスや疲れ、月経時などで免疫が落ちているときや、
水分摂取量が少ないときなどは、特に菌が繁殖しやすい状態になるため、注意が必要になります。
~膀胱炎を繰り返す理由~
膀胱炎を繰り返す理由には、いくつかの要因が関連していることがあります。
主な要因を以下に挙げます。
- 水分摂取量の不足:細菌を洗い流す重要な排尿回数が減るため膀胱や尿道に細菌が付着しやすくなります。
- 排尿習慣:トイレの頻度が低い、または排尿後に膀胱を完全に空にしない(尿を出し切らない)ことが、細菌が膀胱内で増殖する原因となり得ます。
- 免疫が落ちている:ストレスや睡眠不足などで免疫系が弱い状態では、身体の抵抗力が低下し膀胱炎を含む感染症にかかりやすくなります。
- 月経時:月経時で陰部が不衛生になると、そこで細菌が繁殖し膀胱へ侵入しやすくなります。
- 不衛生な状態での性行為:陰部が清潔でない状態での性交渉により、細菌が尿道に押し込まれて膀胱に到達し感染を引き起こすことがあります。
- 抗生剤の効き目が悪い場合:細菌感染の膀胱炎には主に抗生剤の内服で治療を行いますが、原因菌と抗菌薬の相性が悪い場合や、抗菌薬を決められた通りに服用しない場合に、膀胱内に細菌が残り再び症状が出てくることがあります。
- ホルモン変動:更年期で女性ホルモンが減少すると、膀胱の保護機能が低下して膀胱炎になりやすくなります。
- 原因となる別の病気がある場合:結石や腫瘍、男性では前立腺肥大症がある場合、尿の流れが妨げられ付随して膀胱炎が起きていることがあります。
原因である病気が治らない限り、膀胱炎が再発する可能性があります。 - 糖尿病:糖尿病患者のかたは高血糖が原因で尿中に糖が出やすく、細菌の増殖を促進することがあります。
膀胱炎を繰り返す人は多く、1年間に5~6回罹ってしまう人もいます。
しかし、特に思い当たることなく再発を繰り返している場合は、単なる膀胱炎ではなく、
結石や腫瘍がある可能性が考えられるため、放置せずに泌尿器科を受診してください。
膀胱鏡や超音波による検査を行い、原因を確かめます。
~繰り返さないための対策~
膀胱炎を引き起こす原因の多くは細菌感染であることから、
膀胱炎を防ぐためには外部(尿道口)から菌を侵入させないこと、
膀胱内で菌の増殖を防ぐことが重要になります。
具体的な予防対策には以下が挙げられます。
- 水分をこまめに取る
- 尿を我慢しない
- 陰部を清潔に保つ
- ウォシュレットやビデは水流を強くしない
- 排尿、排便後は前から後ろに拭く
- 生理パッドや尿漏れパッドはこまめに取り替える
- 睡眠と栄養をしっかりとる
- 身体を冷やさない
- 疲労やストレスを溜めない
- 抗生剤を服用の場合はきちんと飲み切って、適切に服用する
- 性交渉後は排尿をして、細菌を排出する
この他にも、日常生活のなかでの些細な行動や生活習慣が、
膀胱炎にかかりやすくしていることがあります。
膀胱炎を繰り返さないために、
免疫がしっかり働くように、ご自身の身体のケアを行い、
日頃から水分補給と排尿をこまめに行うことがとても大切になります。
膀胱炎はよくある病気ですが、背後に何らかの病気が隠れていることもあります。
再発を繰り返す場合は、早めに泌尿器科を受診するよう心がけてください。
また、抗生剤の服用を自己判断で中断してしまうことによって再発を繰り返すこともあるため、
医師の指示に従って、適切な治療を続けるようにしましょう。
少しでも気になる症状がありましたら、クリニックまでお越しください。
いわさ泌尿器科クリニック には、越谷・春日部・さいたま市などから来院されます
※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。